のだめカンタービレ最終楽章 前編

指揮コンクールで優勝した千秋(玉木宏)は、エリーゼ(吉瀬美智子)の差し金で、若き日のシュトレーゼマン(竹中直人)が指揮を務めた「ルー・マルレ・オーケストラ」の常任指揮者となることに。さっそくフランク(ウエンツ瑛士)とマルレ・オケを偵察しにいく千秋。しかし、ものすごく大雑把で合っていない演奏と、まったくやる気の感じられない団員の態度を目の当たりにして、あまりのショックで愕然としてしまう。老舗のオケにもかかわらず、近年の資金不足のため、リハーサルもままならず、多くの団員が辞めていき、公演も観客が集まらない…という悪循環が続いているらしい。しかも、コンサートマスターは千秋に批判的で、千秋は失意のどん底に……。一方、のだめ(上野樹里)は、コンセルヴァトワール(音楽学校)の進級試験を控えていた。千秋の指揮者就任を人一倍喜ぶのだめ。千秋は、のだめに定期公演でラヴェルの『ボレロ』のチェレスタの演奏を頼んだ。妄想が広がるのだめだったが、その大役はひょんなことから、コンセルヴァトワールに転入予定の孫Rui(山田優)が引き受けることに。落ち込むのだめだったが、千秋を気遣い健気に振舞う。準備不足の中、いよいよマルレ・オケの公演の日がやってきた。期待に胸膨らませるのだめ。しかし、千秋の悪い予感が現実となってしまった。情けない音を奏でるマルレ・オケの団員たち。懸命に指揮する千秋だったが、『ボレロ』がボロボロになっていく。大爆笑と嘲笑の拍手が会場に響き、情けなさに打ちひしがれる千秋。「あの時と同じだ」―― 千秋の脳裏をよぎったのは、初めて指揮をとったSオケの初練習の時の散々な思い出だった。そして、そのSオケを一瞬にして変えた、師・シュトレーゼマンの魔法の手腕も。落ち込む千秋を励ますのだめ。「オーケストラはいいですね。そのうちピアノで…いつか先輩と」。千秋もそれに答える。「そうだな、いつかお前とコンチェルトを…俺ももっとがんばらないとな!」。その日を境に再び奮い立つ二人。のだめは進級試験でトレビアン(最優秀)を目指し、練習に没頭する。千秋は団員のオーディションを繰り返し、厳しいリハーサルでマルレ・オケを懸命に立て直す。ひたむきな二人の姿にフランクやターニャ(ベッキー)も各々練習に励む。オーディション会場には、黒木(福士誠治)の姿も。一方、のだめは、フランクらとともに、極めて日本式(!?)な方法でマルレ・オケのPRを展開する。そして、遂にその日を迎えた。マルレ・オケ定期公演の日だ。のだめ達の必死の宣伝活動の甲斐もあって、会場は満員の観客で埋め尽くされた。極度の緊張感に襲われる団員たち。のだめも期待と不安を胸にその瞬間を待っていた。千秋は万感の思いを胸に、タクトを手に取り、そして静かに振り下ろした……。
(c)2009フジテレビ・講談社・アミューズ・東宝・FNS27社